妊娠中の風邪と薬の服用
薬の中にはお腹の赤ちゃんに奇形を起こす作用があったり、神経に障害を起こす恐れのある薬などが、わずかにですがあります。
日本では、新薬が開発されるときに、妊娠中の動物にその薬を試し、悪影響が無いかどうかを実験しなければ発売できないことになっています。
そして、その実験で悪影響があると判断された薬には必ず「妊娠中にはしようしてはいけません」という注意書きを明記するように義務付けられています。
しかも、現在市販されている薬の中ではそのような、妊娠中に悪影響の出ると実験で判断された薬はほとんど売られていません。
ただし、実験したといってもあくまで「妊娠中の動物」に使用したのであって、人間で実験したわけではありませんから「絶対に大丈夫」とはいえないと思います。
妊娠中の風邪と薬の服用〜風邪薬は飲んでも大丈夫?
妊娠中に風邪をひいてしまい、薬を服用する場合は、原則として、医師に相談してからにしましょう。
風邪薬の場合、妊娠中に服用しても心配の無いものも多いですが、
抗菌薬、解熱鎮痛剤、抗うつ剤などの一部には、赤ちゃんに悪影響をおよぼすことがわかっているものもあります。
妊娠中のなかでも特に、妊娠初期は赤ちゃんの体の組織が形成される段階なので注意が必要です。
赤ちゃんの体は妊娠12週のところまでにほぼ完成されています。
奇形の出る可能性が高いのもこの期間に悪影響のある薬を飲んだ場合です。
病院でこれらの成分が入った薬を処方されることはありませんので、その場合は薬を服用しても問題ありません。
むしろ、「妊娠中の薬はよくないから・・・」と勝手に医師が必要と判断して処方した薬を飲まないのも困ります。
急性の感染症などでは、薬を飲まなかったために症状が悪化したのではさらに心配ですし、病気の中には、分娩時までにきちんと直しておかないと、生まれてくる赤ちゃんに感染してしまうものもあります。
妊娠中の薬の服用は、医師の指示を守って、正しく使用することが大切ですね。
妊娠中の風邪と薬の服用〜おたふく風邪になってしまった
おたふく風邪が直接赤ちゃんに影響を及ぼすということはありませんが、
インフルエンザもそうですが、ウイルス性の病気は妊娠中には重症になる場合があるので
注意が必要です。おたふく風邪や風疹は飛沫感染(ひまつかんせん)といって
くしゃみや咳などによって病原体が飛び、感染します。
流行しているときは、感染しないようになるべく外に出ないようにして、感染を予防しましょう。